12月 2021

学校が再開しました【ミャンマー】

ミャンマーの現状報告とお知らせ　

軍の主導により、今年の6月に一時再開しましたが、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大により、再度休校になっていましたミャンマーの学校が、ようやくこの11月から徐々に再開され始めました。先般お知らせさせていただきました通り、国の政策により進級を見送り、全生徒が実質的に留年し、同一学年で再度勉強することは変わりません。（進級無しで同一学年を学習）参照：/oshirase/myanmar-2021scholarship_issues/
それにより、2021年度に在籍していた生徒は、進級が1度見送られるため、中学校入学から、本来であれば4年間で卒業のところ実質的に5年間かかることになってしまいます。すでに皆様よりご支援いただきました2021年度の奨学金（2021年3月31日締め分）につきましては、2022年度（来年）に繰り越すことなく、教育費として使途を拡大し、厳しい現状のミャンマーの子どもたちのために、生活の貧窮に必要な支援として使用できるようにお願いさせていただきました。実際に政治的変革や社会不安、それによる経済の悪化による生活の貧窮など、支援地域の村やダルニー奨学金担当の先生の声を聞いたうえでの決断を、ご支援者の皆様の温かいご理解により実施できることを心より感謝申し上げます。

在籍確認と情報収集

ミャンマーの子どもたちをご支援いただいている皆様には、例年であれば6月の始業から在籍確認を行い、8月にはお手元に奨学生の写真や奨学金証書などをお届けできるのですが、国の混乱や新型コロナウイルスの感染拡大により、昨年に続いて今年もお届けが遅延し、ご心配をおかけしております。あらためてお詫び申し上げます。
EDF-Myanmar（ミャンマー事業所）は、ご支援をいただいた皆様に出来るだけ早く、子どもたちの写真や現状をお届けできるように、学校が再開した11月初旬より支援地域の学校を回り在籍確認と生徒情報の収集を行っています。学校の先生でも連絡がとれない子どもがいるなど、ミャンマーの混乱による現実はかなり厳しいものであると実感するとともに非常に苦戦を強いられています。何とか年内*にご支援者の皆様に証書や写真をお届けできるように努力してまいります。何卒ご理解とご了承のほど、よろしくお願い申し上げます。

*ミャンマーの状況などにより変更になる可能性もあります。ご了承のほどお願いいたします。

Set Kalay Education Middle Schoolにて:

Myaing Tharyar Branch Education High Schoolでの打合せの様子：

中途退学について

また、ミャンマーの市民的不服従運動（CDM）により、とりわけ軍主導による学校再開への不安、それに参加した教師の解雇、長期化している混乱による経済の低迷、加えて長引く新型コロナウイルスの影響による経済への打撃による疲弊で学業より生活が優先されてしまっているなど、学校が再開しても戻ってくる生徒が全員ではなく、多くの生徒の中途退学が現実化しています。11月末現在の予想退学率は以下の通り非常に高く、過去に例を見ない状況で職員一同危惧しています。

＜現時点で在籍が確認できている生徒＞
チャンタピン（Htantapin）地区　5校の奨学生の内44%。
チャウンタン（Kyauktan）地区　4校の奨学生の内60%。
タンリン（Than Lyin）地区　1校の奨学生の内54%。

**いずれも11月26日現在の情報で、最終的には在籍率が上昇することを期待しています。

卒業までコースにて奨学金を支援いただいているご支援者様には、生徒情報のお届け時に、残念ながら中途退学をご報告せざるを得ない状況が多くなることが予測されます。その場合は、ダルニー奨学金のポリシーにより、同一学年の同じような境遇の子どもに奨学金提供が変更されます。万が一ご支援者様にこのようなご報告が届いた場合は、何卒、ご理解、ご了承のほど重ねてお願い申し上げます。

民際センター、EDF-Myanmarを含むEDFグループは、ミャンマーの子どもたちが安心して学べる日が来ること皆様と一緒に願っています。また、ミャンマーの子どもたち、奨学生たちの学びたいという意志と権利を守るため、支援を継続していきます。どうか、皆様も継続的なご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。