<新型コロナウイルス>支援各国の現状について

民際センターでは、4月17日に、「新型コロナウイルス感染症における、支援国への対応と支援についての方針を発表させていただきました。民際センターが取り組むべきことの一つとして、支援国である5か国の状況を随時報告させていただいています。今回は、3月27日におしらせしました、「<新型コロナウイルス>支援各国の学校への影響について」に続いて、2回目のご報告をさせていただきます。

今月14日に、日本を含む、ASEAN+3首脳会議が開催されました。民際センターが支援する5か国もASEANのメンバーに含まれており、その中で、新型コロナウイルスの急速な感染拡大や脆弱な医療体制への危機感が共有されたそうです。

<ASEAN加盟国の新型コロナウイルス感染者数>*米ジョンズ・ホプキンズ大の集計より。(14日現在)

発表されている数値は、上述の通りとなっていますが、実際には中国やタイと国境を接し、両国に出稼ぎ労働者らが行き来をしているラオスやミャンマー、さらにベトナムやカンボジアなど民際センターの支援国では、医師や医療物資が足りずに検査などが実施できず、水面下で感染が広がっていると指摘され、実際にはもっと多くの感染者がいると懸念されています。各国とも市民にも外出自粛を強く要請していますが、メコン地域全般は4月10日前後から19日前後まで、ソンクラン(日本のお正月)にあたったため、多くの市民が帰省の為に移動し、感染が拡大するとみられています。また、WHOによると、人口一万人当たりの医師数は、ラオスで3.37人、ミャンマーで6.67人と低水準で、感染が拡大すると医療崩壊が起きる可能性が心配されています。

さて、民際センターでは、教育関連の支援を実施するNGOとして、各支援国の子どもたちと学校の現状を、各国のEDF事業所からレポートしてもらいました。国により違いはありますが、日本と同様に新学期の開始日が自粛要請により不明なため、奨学金の提供時期や、支援者の皆様にお知らせする、子どもたちの写真や奨学金証書のご提供時期が、通常年と比較して遅くなることが予想される国もあります。随時状況を各国事業所と確認し、あらためてご提供時期等については報告させていただきます。また、今回の新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞により、特に貧困地区は大きな影響を受け、経済的理由により学校への就学を断念する子どもたちが増加しています。

このような時だからこそ、ダルニー奨学金による一層の支援が必要となります。
民際センターは、全力で就学の危機に瀕している子どもたちをサポートしますので、引き続き皆様のダルニー奨学金へのサポートをお願い申し上げます。

 

タイ タイ

タイは通常であれば、新学期は5月から始まりますが、新型コロナウイルスの影響で、今年は7月1日まで延期されることが決定しています。その間の6月30日までは、生徒たちは、教育省(MOE)の方針により、すべての科目から構成されているテレビによるe-Learning(Distance Learning Television 略称 DLTV)で学習することができます。生徒は、放送用の特定のTVチャンネル、Webサイト(www.dltv.ac.th)、または、タブレットやスマートフォンからDLTVアプリケーションを通じて学習できます。しかしながら、テレビを持っていない、またインターネットにアクセスできない生徒がいることもあり、全国全ての生徒が学習できる体制にはなっていないという問題も抱えていますが、e-Learningなどのリモートでの学習方法については、日本よりは先進国と言えます。

2020年度の学校のスケジュールについても、すでに教育省から以下のように発表されています。

第1学期(前期):2020年7月1日〜2020年11月30日(第1学期の休みなし)
第2学期(後期):2020年12月1日~2021年4月30日
2021年5月1日から15日を休みとし、2021年の新学期は通常年にもどし、2021年5月16日から開始されます。

これに伴い、EDF-Thai(タイ事業所)では、2020年のダルニー奨学金に関連するすべてのスケジュールを1か月遅らせ、7月中旬から8月下旬までの間に全奨学生の在籍確認を行い、その後、9月〜10月にかけて奨学金の提供を実施していきます。但し、学校への在籍がすぐに確認できれば、随時、8月から奨学金を提供できる体制を整えています。また、奨学生の写真と証書に関しては、8月末から9月にかけての郵送になる予定です。現時点では、タイの郵便局においては、日本を含む海外への配送を停止しているので、日本の皆様へお届けできるのは通常年における時期より1か月程度遅れることが予想されています。別途スケジュールに関しましては、状況が確定し次第、正式に皆様にお伝えする予定です。今しばらくお待ちください。

タイでは中学校は義務教育であり、新型コロナウイルスの影響で、中学校への進学率の影響が大幅に下がることはないと思われますが、このような状況が続き、失業率が高まり、親が職を失い、子どもたちは、中学1年に進学しても、家計を助けるために学校を辞めてしまうなど、中退率は以前よりも高くなることを予想しています。

EDF-Thai(タイ事業所)では、できるだけ多くの子どもたちに教育を受ける機会を提供する、そして、ドロップアウト(中途退学)を救済するため、ダルニー奨学金による一層の支援が必要となるので、是非とも日本の皆様のご支援をお願いしたいと強調しています。

 

ラオス ラオス

ラオスでは通常の場合、学校は、9月から翌年1月までが上半期(前期)、1月から5月までが下半期(後期)、6月から8月の間は雨季でもあり学校はお休みになります。今回の新型コロナウイルスの感染拡大のため、学校を含むすべての教育機関は政府の発表により、3月19日以降、少なくとも5月3日まで閉鎖されます。学校の活動をいつ再開できるかは定かではありません。政府は学校にできること、たとえばオンラインで学ぶことを奨励していますが、ラオスの教育状況を考慮するとほとんど不可能です。公式報告されている感染数19例は、ビエンチャンでは16例、ルアンパバーンで3例と言われています。ほとんどの生徒は、自宅待機が徹底されているため、これまでのところ子どもたちへの感染は抑えられていますが、出稼ぎからの帰省などでの感染の可能性もあり予断を許しません。

現状が維持されれば、9月から新学期が始まり、皆様からの2020年度の奨学金の提供、及び写真や奨学金証書については従来通りお届けすることは可能ですが、感染の拡大などにより、新学期の始まりが遅れた場合は、その影響によりスケジュールが遅くなる可能性もあることをご了承くださいますと幸いです。

国内のほとんどの措置は、WHOやパスツール研究所のような医療機関との協力によりラオス政府によって決定され、自粛による滞在制限は感染を最小限に抑えるのに効果的ですが、経済、特に人々の失業率に大きな影響を及ぼしています。ラオス政府も、全国にソーシャルメディアを通じての情報提供に懸命に努力しているようです。医療機器のサポートや、貧しい家庭、特に都市に住む人々への食糧の配給なども実施しています。

EDF-Lao(ラオス事業所)では、経済的ダメージは、より貧困層に影響を与え、中退が増え、就学率の低下が起こると予想しています。「是非ともダルニー奨学金を引き続きサポートしてください」と訴えています。仮に感染拡大がおさまったとしても、多くの支援が必要になると報告しています。

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カンボジア カンボジア

カンボジアは、通常4月20日から下半期(後期)が始まりますが、新型コロナウイルスの影響により、遅れています。そのため、2020年度の新学期(前期)のスタートも明確にはなっていないようです。カンボジアの全学校は閉鎖されていて、子どもたちは家にいる状況です。
また、4月10日から15日まで、プノンペンから地方、地方からプノンペンへの移動も制限されました。
経済的にも、新型コロナウイルスの感染拡大により、店やレストランも閉鎖され、その間の収入も保証されていません。地方自治体より認定を受けた農村地区の貧困家庭には、WFO(世界農業者機構)からお米10Kgが提供されています。

カンボジア教育省より、各学校長に対して、10名以上の生徒の密集をさけ、できるだけ少数のグループで行動するように指針を出しています。そのような中で、沢山の生徒が集まる、ダルニー奨学金の授与式などは実現が難しく、新学期の開始時期の延期なども想定され、奨学金の提供や、写真・奨学金証書の発行など、すべてのスケジュールが遅れることが予想されるとのことです。
EDF-Cambodia(カンボジア事業所)では、極力通常通りに奨学金提供を実施したいと考えていますが、都度状況をみて報告をすることを約束しています。また、お米などの食料も、必要であると訴えています。

 

ベトナム ベトナム

ベトナムでは、2学期(後期)は旧正月の後に始まります。 2020年の旧正月は1月23日から29日までで、学生たちは1月中旬頃から旧正月休暇を取っていました。1学期(前期)は、通常は8月中旬から実際に学校で勉強を開始し、新学年の始業式は9月5日に行われ、この日が公式開校日とされています。新型コロナウイルスの感染は、ベトナムにおいてはこの旧正月の時期に発生し、ベトナム政府はいち早く、この感染症に対応し、ベトナム全土で緊急の移動制限を発表しました。ほとんどの人はまだ故郷におり、生徒たちはまだ学校に戻っていなかったので、感染を最小限に抑えることができたとのことです。現在も学校は休校しており、都市部では、オンライン学習を実施しています。スマートフォンやラップトップを持っていない子どもたちは、近所のオンライン学習が可能な家やその友達と一緒にオンライン学習を実施しているとのことです。この辺は日本より少し発展しているかもしれません。経済面では、他国同様に、新型コロナウイルスによる金融危機に直面しています。したがって、貧しい人々はますます貧しくなり、生きるために十分な食糧を得ることが、子どもの教育よりも重要になります。EDF-Vietnam(ベトナム事業所)は、間違いなく多くの子どもたちが中退のリスクに直面するだろうと予測しています。一方で、民際センターの支援地域である、タイビン省のダルニー奨学金を実施する上での協力団体である、赤十字社から、新型コロナウイルス感染拡大のニュースを受けて、日本の支援者の皆様を心配するお手紙や、奨学生から奨学金の支援者の方を心配した多数の手紙がEDF-Vietnam(ベトナム事業所)に届いています。

ダルニー奨学金に関するスケジュールは、通常であれば、毎年5月下旬にグレードアップ試験(学生の進級テスト)が実施されますが、今年は政府から試験を実施する時間と方法についての発表がまだなく、現時点ではスケジュール通りに皆様に写真や奨学金証書が届けられるか確定できない状況にあります。EDF-Vietnam(ベトナム事業所)も同様に、極力通常通りに奨学金提供を実施したいと考えています。
都度状況を見て報告をさせていただきます。

 

ミャンマー ミャンマー

ミャンマーの学校は、通常5月末まで夏休みで、新学期は6月から始まります。しかしながら、今年は新型コロナウイルスの影響で、政府から公式に新学期の開始時期は発表されていません。おそらく、5月の中旬頃に、その時の感染の現状を見て発表がなされる見込みとのことです。
それまでは、EDF-Myanmar(ミャンマー事業所)においても、奨学金の授与式や写真撮影・奨学金証書等の調整が確定できないとの報告を受けています。通常であれば6月末に、EDF-Myanmar(ミャンマー事業所)から支援地域に出向いて、奨学金授与式や写真撮影や奨学金証書の準備が始まる予定ですが、新型コロナウイル感染の状況を見極めて判断を行い、できるだけスケジュール通りに皆様にお届けできるよう準備を行っていきます。また、随時状況を報告させていただきます。

 

日本

民際センターでは、今回の新型コロナウイルス感染症に伴う、各国の学校の現状、休校や新学期の開始時期の変更などを、EDF各事業所と連携し、随時確認をしています。
現時点においては、タイにおける在籍確認と奨学金の提供、写真・奨学金証書の発行については、1カ月程度遅れることが予想されています。ラオス、カンボジア、ベトナムの2020年度奨学金支援の締め日、奨学金提供の時期や、写真・奨学金証書の発行なども、まだ確定ができない状況にあります。
引き続き、感染の状況や、学校の休校状況、新学期の開始時期など、各国と連携を取り、皆様にお知らせいたします。何卒ご理解承りますようお願い申し上げます。

また、東京の事務局は、5月6日まで、感染拡大防止と職員の安全のため、在宅勤務を実施しています。危機管理体制の整備により、在宅勤務体制でも通常通り業務は可能ですが、電話対応等ご迷惑をお掛けすることもあるかもしれませんが、スタッフ一丸となって、事業の継続をすべく、全力で取り組んでまいります。引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

 

民際センターは、定期的にホームページにて、情報を公開してまいります。

新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ・ニュースはこちら

4月21日: 外出自粛のこの時期、民際センターからの3つのご提案

4月17日: 新型コロナウイルス感染症における、支援国への対応と支援についての方針

4月14日: ベトナムの⾚⼗字から、⽀援者様を気遣うお⼿紙が届きました ~新型コロナウイルス感染拡大のニュースを受けて~

4月7日:   政府の非常事態宣言発令に伴う、民際センター事務局の対応について

4月2日:   新型コロナウイルス感染拡大に伴う、民際センター事務局の対応について

3月27日: <新型コロナウイルス>支援各国の学校への影響について

3月20日: タイ・ミャンマー締め日延期のおしらせ ~新型コロナウイルス感染症の影響を受けて~

 

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