06
5月 2023

カンボジア女子寮 竣工式が開催されました

青木様は、昨年お姉様を亡くされ、生前のご意思に基づき相続財産の一部を民際センターへご寄付くださいました。ダルニー奨学金、通学自転車支援、図書支援などさまざまなプロジェクトを通じて各国の子どもたちや学校環境をサポートしていただいており、2棟のカンボジア女子寮建設もご支援のひとつです。2023年3月に2棟目の女子寮が完成を迎え、4月初旬にその竣工式へ参加された様子をご紹介します。

クレン高校校門前で歓迎を受ける青木様(中央)

2棟目の女子寮が建設されたのは、カンボジア最北部、プレアヴィヒア州クレン郡にあるクレン高校です。ここはタイ、ラオスとの国境地帯でもあり、周囲はぽつぽつと集落がありながら、そのほとんどは草地や畑が広がっているのどかな地域でした。中学・高校が併設され、3ヘクタール(30,000平方メートル)の広大な敷地を有しますが、給水設備や図書館など校内の設備はまだまだ不十分な状況です。

併設の中学校以外に、周辺の中学校とクレン郡以外の地域からも生徒が通うため、毎年100人以上の生徒が学校の近くに住むことを必要とします。中には自宅から高校まで50キロも距離がある生徒もいます。学校に近い親戚宅に住む生徒や、男子生徒であればお寺に下宿することも可能ですが、そうでなければ掘っ立て小屋を作って暮らさなければなりません。部屋を借りることができず、小屋を建てることもできない家庭の子どもたちは、通学を諦めてしまうことにつながっています。

そんなクレン高校に、青木様のご寄付により待望の女子寮が完成しました。これまで小屋で暮らしていた生徒たちは、より安全性が確保された場所で勉強に集中することができるようになります。また、この学校では女性教師の数名も住む場所に困っており、女子寮の一部に先生方も暮らすことになるといいます。

では、竣工式典に参加した青木様のメッセージをご紹介します。

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生徒たちの長い花道を通り、校内の式典会場まで歩きます

 

<クレン高校女子寮竣工式に参加して>

私がカンボジア女子寮建設に関わったのは2棟目ですが、今回初めて竣工式に出席致しました。

竣工式では、生徒約700名(中・高)、保護者40名、教師30名の皆さん方が列席され華やかに式典が開催されました。当日は、校門から式典会場まで生徒の皆さんが両側に並び、私達を歓迎してくれる姿に圧倒されました。

式典では、学校の歴史や生徒数の増加状況が話されました。また、生徒代表の謝辞がありました。「今日まで貧しい家庭環境の中、地域の人によって建てられた小さな小屋で暮らしていました。生徒によっては、住むところもなく通学をあきらめざるを得ない生徒がいました。ここに女子寮を建設していただいたことで学費や安全性などの問題がすべて解決し、安心した生活を送ることが出来ます」との感謝の言葉がありました。

これまで一部の生徒たちが暮らしていた小屋

式典の後、旧寮として使用していた小屋を見ました。板1枚の建物で壁や床も板が外れて中が見える状態でトイレもない生活。これでは勉学のみならず日常生活にも支障をきたしていたことが見てとれました。生徒の皆さんは、このような環境にへこたれることなく、すごく明るく、元気な点が印象に残っています。また、保護者の皆さんからも感謝のお言葉をいただきました。この女子寮が、生徒の皆さんの今後の発展の土台となればと思うところです。

特に今回初めて現地を訪れ多くの現実を目のあたりにし、継続した支援の必要性を強く感じました。

最後に、式典参加にあたり、カンボジア事業所、民際センターの林さんには手続き等お力をいただき感謝申し上げます。

長野市 青木 邦一

 

校長先生、教師たち、州や郡の教育関係者らも式典へ参加

 

式典で伝統舞踊を披露する生徒たち

 

女子寮へ入居予定の生徒代表より、感謝のメッセージ

 

感謝状の贈呈

 

式典に参加した生徒たち

 

式典後、完成した女子寮を視察しました

 

寮の前でテープカット

 

女子寮内部を視察する青木様

 

寮の構造について現地スタッフから説明を受けます

 

校内を視察後、学校関係者と談笑する青木様

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女子寮の建物は壁の一部が廊下を挟んで外側・内側の2枚構造になっており、直射日光が室内に当たらないような工夫がされています。壁面の格子から風が通り抜けるため、真夏のような屋外とは対照的にとても涼しく快適に感じられました。

これまで遠方から努力して通学してきた生徒たちが、この女子寮の建設により、安全で快適な学生生活を送り、無事に高校を卒業し、希望の人生を歩んでいってくれることを願います。青木様、このたびのご支援と竣工式へのご参加、誠にありがとうございました。

 

民際センターでは、支援者様のご要望に応じて、現地学校などへの訪問をお手伝いすることが可能です。国や地域によっては難しい場合もございますが、ご関心のある方は事務局までお気軽にお問い合わせください。

 

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