【ベトナム】教師からの手紙 ~子どもたちの夢に静かに火を灯す、奨学金~
2024年度にダルニー奨学金とSDS(中途退学阻止プロジェクト)の奨学金を受け取った生徒たちの担任教師から手紙が届きました。遠く日本から贈られた奨学金がいかに生徒たちの自信と活躍の場を広げているかということ、中学時代に支えてもらった経験が大人になってからも生き続けることを語ってくれました。皆様のご支援が子どもたちにどのように届いているか、ぜひご覧ください。
(教鞭を取るグエン先生)
民際センターの皆様
拝啓 私はグエン・ティ・フエンと申します。ベトナム・フンイエン省*(2025年6月12日付で、タイビン省はフンイエン省に統合されました)のティエンハイ郡にあるナムタン中学校の教師です。2024〜2025年度に、当校の中学4年生18名が民際センターから奨学金を受け取ることができ、そのうち10名はSDS(中途退学阻止プロジェクト)の奨学生に選ばれました。この貴重なご支援のおかげで、生徒たちは学業を続けることができ、本年5月に無事中学校を卒業することができました。
日々生徒たちと共に過ごす中で、奨学金がもたらす大きな変化を私は何度も目の当たりにしてきました。それは単なる経済的な支援ではなく、困難な状況にある子どもたちの夢に静かに火を灯す、大きな励ましなのです。
奨学金を受け取ったとき、生徒たちの目は誇らしげに輝いています。自分の努力が認められたと実感し、自己の価値を信じるようになり、より大きな夢を抱き、努力し続ける理由が生まれるのです。
文具代や授業料などの心配が減ったことで、学業に集中できるようになりました。中には、この奨学金を使って補習に通ったり、教材を購入したりしながら、地区や省の学力コンテストに自信を持って参加する生徒もいます。以前なら到底手の届かないように思えたチャンスです。
さらに重要なことに、この奨学金は生徒たちの「責任感」を育んでいます。自分自身への責任、家族への責任、そして地域社会への責任です。成績だけでなく、困難を乗り越える姿勢と感謝の気持ちによって、友人たちの模範となっています。
私は信じています。奨学金は単に今を支えるものではなく、生徒たちの人生そのものを切り開く扉となるのです。やがて彼らが成長し、社会で活躍するようになったとき、遠くから支えてくれた人々のことを必ず思い出すでしょう。そして、その「信じてくれる存在」が蒔いた種は、やさしさと希望となって未来へと受け継がれていくのです。教科書では教えられない、大切な学びです。
生徒たちを代表して、地方の小さな学校に夢と希望を届けてくださった民際センターの皆様、そして支援者の皆様に心より感謝申し上げます。
敬具
グエン・ティ・フエン
ナムタン中学校
「ダルニー奨学金」「HOPE奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際教育里親制度です。皆様からのご支援、お待ちしております。