カンボジアの湖上の集落で暮らす子どもたち。今、必要な支援とは?

カンボジアの教育は、多くの課題を抱えています。通える地域に学校がないことや教師不足もその原因ですが、中でも深刻な問題は、貧困等の家庭の事情で学校に通うことができない、通っていても親が病気にかかり働けなくなる等の環境の変化により中途退学を余儀なくされてしまう子どもが多くいることです。

カンボジア政府は、子どもたちの中途退学を減らすために小学校4年生から6年生、中学校1年生から3年生を対象に奨学金制度を設けています。その制度は、全国の子どもたちが等しく教育を受ける機会を得るためにつくられましたが、財政上の問題から、必要な生徒がすべて奨学金を受けて学校に通えるわけではありません。

今回は、民際センターの支援地域、カンポントム州カンポンスベイ郡パットサンデイ町、トンレサップ湖に浮かぶ島に住む子どもたちを紹介します。トンレサップ湖は、水産資源に恵まれていましたが、乱獲で以前より漁獲量が減り、人々の暮らしは苦しくなりました。また、魚の産卵場所保護の観点からこの島では農地開拓が禁じられ、畑を作ることができません。また、水産資源を守るため6月から10月は漁ができないので、多くの住民は、島を離れて仕事を探さなければならないのです。貧困家庭が多いこの地域の教育環境は恵まれていません。紹介する子どもの何人かは、留年のため、その学年に在籍すべき年齢を超えていますが、この秋からダルニー奨学金を受け、中学校へ進学する小学校6年生。学校から帰ってきて家事を手伝い、休みの⽇には、近所の人から頼まれた網の修理や子守りなどの仕事をしたお駄賃をもらって家計を助け、時間を見つけて一生懸命勉強し成績も優秀です。それぞれに将来の自分の姿を思い描き、中学校に通って勉強することを心待ちにしています。

 

サイ シエング フイさん(15歳)

サイ シエング フイさんは、3人兄弟の長女で両親はいません。母は、5歳の時に中国に家政婦として出稼ぎに行き、事故にあって亡くなりました。父もその後、自ら命を絶ちました。今、彼女は、祖母と、妹は叔父と一緒に暮らしています。フイさんの祖母は、「私は66歳で定職がありません。漁業用の網を修理する仕事をしますがその収入は1日18,000リエル(日本円で約560円)です。それだけでは、暮らしていけないので孫のフイも、休みの日には働いて家計を助けます。彼女には、教育を受けて定職に就きより良い生活を送ってほしいのです。」と言います。

パイ ソクピンさん(13歳)

パイ ソクピンさんは、勉強が好きで、得意科目はクメール語。将来は先生になりたいという夢を持っています。6人兄弟の一番上で両親は、漁師ですがその収入は多くはありません。また、6月~10月は禁漁期なので、その期間は、建設現場で労働者として働きます。学校に行ったことがない母親は言います。「勉強が好きな息子には高校を卒業させてやりたい。し、彼の除く仕事に就いてほしい。しかし、今の状況を考えると難しいです。」ソクピンさんは学校から帰ると、家事をこなし、妹や弟の世話をし、休みの日には漁業用の網を修理して18,000リエル(日本円で約560円)をもらい、それは生活費の一部となります。

カート スレイネットさん(14歳)

カート スレイネットさんは、国語(クメール語)が得意で成績もクラス35人中6位です。将来は、国語の先生になってクメール語を子どもたちに教えたいと言います。 7人兄弟の末っ子で数年前に父が亡くなり、母1人で家族を支えなければならず、兄や姉は、小学校を中退し働かざるをえませんでした。彼女も休みの日は、漁業用の網を繕う仕事をして自分の学費の足しにしています。

シエン チエン ロットさん(13歳)

シエン チエン ロットさんは、将来は自分が在学する 小学校で先生になりたいと考えています。彼女は、6人兄弟の下から2番目ですが、1番上の姉は学校に行ったことがなく、2番目の姉は18歳で高校3年生、その次の兄は中学校1年で中途退学をし、生活を支えるために働かざるをえませんでした。両親は、仕事を求めてタイに行きましたが、子どもたちへの仕送りは滞りがちです。彼らは年老いた祖父母と暮らしていますが、その祖父母には定期的な収入がないため、兄弟は近所で網の修理などの仕事を手伝わせてもらい、生活費を稼ぎます。ロットさんは、学校の先生になりたいと思っているので、なんとか高校を卒業するまで勉強を続けたいと思っています。祖父母も、彼女の2番目の姉の様に、学校を続けて彼女の望む夢を掴んでほしいと祈っています。

ノ ソケアさん(13歳)

ノ ソケアさんは将来、絵描きになりたいという夢を持っています。ソケアさんは4人兄弟の一番上。両親は、小学校を卒業していません。漁業で生計を立てていますが、漁業を行うことの出来ない期間(6月~10月)は別の仕事を探さなければなりません。ソケアさんも休みの日には、家計の一部を稼ぐため、近所で網の修理などの仕事をさせてもらいます。母は、息子には、教育を受けさせて安定した仕事に就いてほしい、そして、自分たちの様に教育がないために、職業が限られる生活を送ってほしくないと願っています。

ローク スレイリークさん(14歳)

ローク スレイリークさんの得意科目は算数。将来は学校の先生になりたいと思っています。スレイリークさんは6人兄弟の上から3番目ですが、生活は苦しく、姉は小学校2年生で、兄は中学校2年生で学校を中途退学しなければならず、現在は働いて家計を支えています。弟は13歳で小学校に通っていますが、いつまで続けられるかわかりません。スレイリークさんは「家庭は貧しいのですが、高校まで勉強を続けて先生になって両親を支えたいと思っています。」と話します。(カンボジアでは、教師養成に力を入れており、高校を卒業し、小学校教師の養成短期大学に成績優秀で合格すると学費と寮費が免除されます。)

ソク チャントレアさん(12歳)

ソク チャントレアさんは、学校も勉強も大好きで将来は小学校の先生になりたいと思っています。彼女は、3人兄弟の末っ子で小学校6年生、兄たちはプノンペンの寺で生活をしています。チャントレアさんの両親は、彼女が3歳の時に離婚し、家を出て行ったきり帰ってきません。子どもたちの世話は、祖父が見ています。その祖父は、漁業用の網を作る仕事をしていますが、それだけでは、チャントランさんを養うことができず、彼女も休みの日には近所で網の修理や子守りなど仕事を手伝わせてもらって生活費を稼ぎます。

 

 

 

貧困家庭の子どもたちを取り巻く環境は、親の離婚、死別等の変化でさらに悪くなります。親のサポートがないために精神的に不安定になったり、栄養状態が悪くなることもあります。親も貧困から抜け出すために何とか子どもたちに教育を受けさせ、望む仕事に就いてほしいと願いますが、支援がなければそれは実現できません。教育支援こそが、彼らの夢を実現できる一番の近道なのです。

「ダルニー奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際里親制度の教育支援システムです。
1日当たり40円、月々1,200円、年間14,400円の支援で、子どもが1年間学校に通うことができます。

カンボジアの締切は7月31日です。

 

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