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11月 2019

カンボジアのダルニー奨学金授与式(インターンからの報告)

民際センター・カンボジア事務所でインターンに参加している中央大学学生の花堂さんから、皆様からご寄付いただきました奨学金で購入した学用品を贈る授与式(中学校にて実施)の報告がありました。実際の授与式の様子が写真と共にわかりやすく書かれています。また、写真に写る子どもたちの本当に嬉しそうな顔を見ると私たち職員まで幸せな気持ちになります。ご支援いただきました方々、この子どもたちに成り代わりまして、心より御礼申し上げます。

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10月21日-10月26日にかけて、御支援者様からの奨学品を子どもたちに届けるセレモニーが各地で開催されました。幸運にも全日程天気に恵まれ、地区ごとに複数の学校から奨学生や教員、教育委員会の委員長などが一堂に会しました。

会場に足を踏み入れてまず目に入ったのは、数人の男子生徒たち。重い重い奨学品の袋を運び、机に並べる作業を手伝っていました。準備には十分な人数の大人がいるにもかかわらず、率先して手伝う姿に到着早々心打たれました。

準備を手伝う生徒たち1

準備を手伝う生徒たち2

準備を手伝う生徒たち3

セレモニーが始まり、代表挨拶として、EDFカンボジア代表Cheng Chandy所長と州教育委員会委員長、地区教育委員会委員長がそれぞれ「教育の重要性」について生徒と保護者たちに熱心に説き、子どもたちは、暑い中、真剣に話を聞いていました。でも、目の前には生徒の興奮をこれでもかと煽るように並べられた奨学品の山、きっと内心ではまだかまだかと心躍らせていたのではないかと思います。

お話が終わり、ついに奨学品を受け取る時間が来ました。学校ごとに校長先生から一人一人名前が呼ばれ、受け渡されていきます。かばんや制服、靴などの衣類が入ったパックと、ノートや色鉛筆、筆箱などの文具が入ったパック、そして英語の辞書。全23点のグッズ。1年間学校に行くには十二分な量です。EDF奨学品は原則兄弟に1人しかもらうことができないため、兄弟間でシェアできるようにむしろ多めに渡してあります。1人の生徒が3年間毎年新しい制服やリュック、靴などを貰うのも、弟妹におさがりがいくようにするためだそうです。

贈呈式

陳列された奨学品

グッズを受け取った生徒たちは本当にうれしそうで、誇らしげで、彼らが純粋に喜び、笑う姿は、今この瞬間、世界のどこよりもここが一番幸せだと思ってしまうような空間でした。同時に、この喜んでいる姿をドナーの方々に届けるのが私の役目だと強く感じました。

奨学品を貰う生徒たち1

奨学品を貰う生徒たち2

嬉しそうに開封する生徒たち1

嬉しそうに開封する生徒たち2

ドナーの方々にお届けする写真の撮影。さっそく新しい制服に身を包んだ生徒たちはみんな本当に嬉しそうで、見ているこちらも嬉しくなります。

写真撮影を待つ女の子

写真撮影を待つ男の子

手にしているのは、名前と生徒番号を書いたボード

彼らの笑顔を見て私が嬉しくなる理由の裏には、やはり彼らのバックグラウンドがあります。この純粋でかわいらしい喜びや笑顔の裏には、私たち日本人には想像もできない現実と向き合っている彼らの生活があります。放課後や週末は家計のために畑仕事や、物売りなどをし、中には親が離婚し子どもを置いて逃げてしまったり、両親どちらも出稼ぎに行って戻らないまま、仕送りもしてくれなかったり、病気や事故で両親を亡くし親戚の家に肩身の狭い思いをしながら身を寄せていたりする子どももいます。

 

こんなにも純粋で可能性に満ち溢れ、学校に行くことを切に願っている子どもたちが、置かれた環境のせいで満足に学校にも行けない、弟妹のために将来を諦め、働かなければならない現実。現地に足を運んで彼らに直接会ったことで、改めて強く感じたことは、何の罪もないこの子たちは守れる大人と社会が守っていかなければならないということでした。親が貧乏であることだけが原因ではない、このような現実を生み、なんの罪もない純粋な子供たちの権利や夢、将来を奪ってしまっているのは、複雑に絡み合った国際社会にもあるのではないでしょうか。様々な数えきれないほどの要因が複雑に絡み合い、重なり合って招いている結果には先進国が大きく関わっています。私たちもこの子供たちの将来を奪ってしまっている当事者のひとり。遠くの世界の恵まれない子どもは無関係ではない。日本社会、日本人にも彼らの子どもとしての権利を守る責任があるのではないかと私は考えています。

 

また、今回現地に足を運んだことで、ダルニ―奨学金が成す役割の大きさも実感しました。物資提供は意味を成さないと感じる人も多いと思います。でも、1年分の学校必需品が提供されることで、退学の大きな要因である家庭の教育費負担(物資購入が大部分を占める)が大幅に減ります。そして子どもは中学校3年間退学を回避し、卒業できる機会を得ることができます。長期的な現金援助は本質的な支援にならず、自立や貧困からの脱出を促しませんが、義務教育を終わらせることに特化したEDFの支援は、卒業することが自立への第一歩と考えているため、卒業後は自分のやる気と努力次第、いつまでも援助に依存してしまう関係に陥らないようになっています。

 

今回出会った子どもたちに奨学金を提供してくださっている、日本人支援者様お一人お一人のお力がどれだけ尊いものか、皆様からのご支援・ご協力に心から感謝をし、彼らが中学校3年生まで全うできることを切に願いながら、私は、一人でも多くの子どもに支援の手が届くように全力を尽くそうと強く決意しました。

帰りのトゥクトゥクを待つ生徒たち1

帰りのトゥクトゥクを待つ生徒たち2

 

 

学校ごとに1つのトゥクトゥクに全員で乗り込んで帰る生徒たち
 

ダルニー奨学金について詳しくはこちらボタン

寄付ボタン

 

 

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