初めてコロナ禍で行った在籍確認 ~EDF-Myanmarより~

EDF-Myanmar(ミャンマー事業所)の職員である、インイン ピュ(Yin Yin Phyu)から新型コロナウイルス感染拡大のなか、ダルニー奨学金提供のために生徒の在籍確認を実施した際の苦労や状況報告が届きました。

EDF-Myanmar(ミャンマー事業所)の職員をしているインインと申します。私はミャンマーの西側のラカイン州で生まれました。
海の近くの州なので海魚がとてもおいしいところです。
私の故郷であるラカイン州は交通が不便でミャンマーの大都市であるヤンゴンとは人々の生活や考え方など大きな差があります。今でも何万もの人たちや子どもたちは内戦による戦争の苦しさから癒えておりません。そこで生まれ育った私は、教育の重要性や、教育が貧困の連鎖を断ち切り、ひいては世界の平和に役立つと信じていました。以前より社会福祉の仕事をしたいと思っていたところ、縁あってEDF-Myanmarで働くことができ、すでに4年になります。 2020年にようやくEDF-Myanmarは国から*iNGOの認定を取得することができ、職員も増えましたが、それまでは1人でEDF-Myanmarの仕事を担当してきました。今でも教育の機会に恵まれない子どもたちに会うと、心が痛くなりますし、EDF-Myanmarで、奨学金プロジェクトを担当していることに誇りを持っています。

ミャンマーは通常は、6月から新学期が始まります。4月上旬には、日本の支援者様からの奨学金口数が確定し、1カ月前の5月には支援地区との奨学金プロジェクトの段取りはほぼ終了しているのですが、2020年は3月にミャンマーで初めて新型コロナウイルスの感染者が出て、国からの指示のもと、日本と同じように約2カ月stay at home(日本ではステイホーム)していました。個人的には3~4カ月もあれば、感染症は消滅し通常に戻るだろう、2カ月程度で、プロジェクトの遅れもすぐに取り戻せるだろうと思っていました。5月の半ばごろには、一旦新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきましたので、2020年度の奨学金プロジェクトの準備を再開し、今年は新型コロナウイルスの影響により6月より少し遅れるというアナウンスが出ていた学校が始まるのを待っていました。7月21日から高校が始まり、その1か月後には中学校も始まるとの情報を得ていましたが、新型コロナウイルスの感染はなかなか収まらず、医療システムがぜい弱なミャンマーでは、8月中旬から新型コロナウイルスの感染者が急激に増加し、1か月強で14倍以上に増えるなど感染が拡大してしまいました。さらにラカイン州からの感染拡大に始まり、10月初旬の時点で、感染者は22,000人を超えており、死者数も535人となりました。11月後半には、感染者数は計79,246名、死亡者は1,739名となり、人口比に違いのある日本と比較しても、非常に厳しい状況になってしまいました。一時再開した高校も含め、すべての学校が全く再開することができず、休校のままになっています。政府からも厳しい外出制限が出され、EDF-Myanmarの職員も何もできない状況が続きました。
その間、EDF‐Japan(民際センター)の関係者ともオンラインで、ミャンマーの現状の報告や、今後の対応など打合せを行い、最終的に、学校が始まるのを待っていても時間ばかりが過ぎてしまうので、学校が始まる始まらないにかかわらず、自分から行動しなさいとうアドバイスも得て、外出制限はありましたが、リスクを覚悟で実際に現場へ向かい生徒たちの在籍確認を行えるように、学校側の先生方々と打ち合わせを開始しました。どうすれば今年の学生の在籍確認とデータを入手できるかを相談しました。ミャンマーでは2020年11月8日に総選挙が予定されていました。前回、5年前の選挙で圧勝し、それまで半世紀以上にわたる軍主  導の政権を終わらせたアウン・サン・スー・チー氏率いる与党が、過半数の議席を維持するかどうかが焦点となっていました。

 

こうした状況を受け、政府から正式な学校再開にむけての告知は無く、選挙終了後までは、発表はないことが予想されましたので、各タウンシップの先生からの提案は、外出制限がある10月の終わりまで様子をみて、11月8日の選挙が終わってから学生の現状確認とデータの入手をすすめましょうという決断でした。

選挙が終わってすぐ まずkyauktan タウンシップ(チャウタン群区)の一つの学校から学生の在籍確認とデータが送られてきました。子どもたちが制服を着てマスクをして撮っていた写真でした。それを見てこの時期に、私たちEDFの都合により子どもたちを大勢集めて良いものか、もし、この子たちの中の一人がコロナウイルスに感染して、たくさんの子どもたちに感染を拡大してしまったら大変なことになるだろうということで心配で眠れない日が続きました。在籍確認と写真撮影を実施して頂いた先生方にも連絡して本当にこの時期は子どもたちを集まらせていいのか、何回も確認しながら、活動をしました。


そして 次にHtantapin タウンシップ(チャンタビン群区)から学生の在籍確認とデータの収集を開始しました。タウンシップのいくつかの学校は、Quarantine Center(隔離病院施設)として利用されていましたので、お寺などの協力を得て子どもたちを集め、在籍確認や写真の撮影などを実施しました。 しかし、プロセスはなかなか進まず、時間が思っていたよりかかってしまいました。
両郡区とも連絡がつかないという子どもたちも多くいて、生活のために出稼ぎに行った親と一緒に別のところへ移動してしまった子どもたちが多数あり、なかなかすべての子どもたちの現状を把握することが思い通りにはできませんでした。日本の支援者の方々には、このような通常とは違う状況下であることへのご理解はいただきながらも、ご心配をお掛けしていることに心を痛めていました。

  


しかしながら、最終的に、各タウンシップ(群区)の先生方々、村人、EDF‐Japan(民際センター)や、EDF-Myanmar(ミャンマー事業所)のスタッフの協力により何とか12月下旬までに、すべての子どもたちの在籍確認と現状把握を終えることが出来ました。
また、生徒データの入力や支援者様との照合作業など、EDF-Thai(タイ事業所)のICT職員の協力などを得て、EDF‐Japan(民際センター)より、支援者の皆様へ奨学金証書や子どもたちの写真などを年内中に発送できたとの報告を受け、本当に安心しました。

今現在、随時奨学金の提供を実施しています。今もまだ、日本の支援者様からいただいた大切な奨学金をお届けすべく活動を行っています。引き続き、ミャンマーの子どもたちや学校の現状などを報告させていただきます。

 

日本の支援者の皆様には、予期せぬ状況とはいえ、奨学金証書等の送付が遅れてしまったこと、心よりお詫びするとともに、今後とも変わらぬご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
日本もミャンマー同様に、新型コロナウイルスの感染が再度拡大しつつあると聞いています。ご自愛くださいますようお願いいたします。

EDF-Myanmar(ミャンマー事業所) Yin Yin Phyu

*iNGO : 認定国際協力団体(International Non-Government Organization)

「ダルニー奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際里親制度の教育支援システムです。1日当たり40円、月々1,200円、年間14,400円の支援で、子どもが1年間学校に通うことができます。

ミャンマーの締切3月20日です。

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