【カンボジア】奨学金候補生 ライヘアンさん
子どもたちを学校につなぎとめる奨学金制度
カンボジア政府は教育分野においていくつかの課題を抱えていますが、特に中等教育(中学・高校)での就学率の低さは深刻であると言えます。2007-2008年度には中学校就学率は34.8%、高校就学率は14.8%でした。以来、複数の開発パートナーからの支援を受けて中等教育へ奨学金が支給されてきたおかげで、2023-2024年度の就学率は中学校48.0%、高校35.5%にまで改善してきています。
農村部の貧困世帯や恵まれない家庭の子どもたちへの奨学金支援は、中等教育への就学率を高め、継続的な通学を促し、中途退学率を下げる有効な手段となります。中等教育の就学率は上昇してきているものの、生活上の問題から、依然として多くの就学年齢の子どもたちが学校の外に取り残されています。
ある家族と生徒の事例をご紹介します。
奨学金候補生:ヴォエウン・ライヘアンさん
(生徒が通う小学校校長からのお手紙です)
ヴォエウン・ライヘアンさんは11歳、コンポンチュナン州の小学校に通う6年生です。両親が家を出て行ってしまい、祖父母と暮らしています。
祖父母には定職がない上、小さな農地しかないため、家族を養うことができず非常に苦しい生活を送っています。ライヘアンさんは放課後になると、土地の耕作などの仕事を探します。家計を支え、教材を買うためのお金が必要だからです。彼女は貧しくても決して勉強をあきらめません。これまでも一生懸命学び、先生の言うことをよく聞き、学校の規則を守り、クラスメートと良い関係を築いてきました。
努力家の彼女は、地元で教師になりたいと思っています。小学校卒業後も学び続けるため、ライヘアンさんは今まさに教育支援を必要としています。私(小学校校長)は学校経営者の名において、日本の支援者の皆様に、彼女の勉強をサポートしていただけるようお願い申し上げます。彼女が教育支援を通じて貧困から脱することができるよう、どうかご検討ください。
(写真左・中)家事を手伝う様子/(右)祖父とともに
「ダルニー奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際里親制度の教育支援システムです。年間14,400円の支援で、子どもが1年間学校に通うことができます。