バレーボール研修に同行して(タイ・イサーン)

⺠際センターには、お住まいの地域を基点にダルニー奨学金を紹介する活動を行っている「ダ ルニー連絡会」があります。
(ご参照: https://www.minsai.org/activity/voice/renrakukai/)
連絡会では、地域の仲間が集まり、勉強会やチャリティーイベントの開催、募金箱を設置する など、⺠際センターの活動を地方から支えていただいています。 今回は、新潟ドナー連絡会・世話人で⺠際センターの理事も務めている赤石隆夫さんが、ダルニー連絡会「札幌ぷらいさに〜」の世話人・山本夏江さん(通称:なっ ちゃん)と、⺠際センター・タイ事務所のプロジェクトの責任者であるPoo Charuwat(通称:プ ー)からの研修に関する示唆も事前に得て、静岡で活動されている遠州ドナー連絡会の世話人・畑寛和さん主催のイサーン・バ レーボール研修に昨年9月に同行し、その研修の様子を報告してくれました。 
今回は、その手記をそのままご紹介させていただきます。

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 雨季真っ盛りのタイ王国の首都バンコクで「札幌ぷらいさに~」連絡会・世話人のなっちゃんと合流したのが2019年8月25日。今回の取材打ち合わせや、物品購入、EDF-Thai のプーさんとの再会をこなし、翌々日に我々2人の世話人は民際発祥の地であるウドンタニーへ向かいました。静岡ドナー連絡会世話人・畑さんと高校時代のバレーボール部活動で繋がった全国の大学の学生7名と合流するためです。

 翌日の夕刻に、彼らと宿泊先のホテルで合流します。今回の行程で通訳をお願いしているイサーン在住の日本語教師 EMK 先生とも再会です。実は、1昨年秋尾理事長の発案で参加させて頂いたイサーン・シニア研修の折にも訪問したウドンタニーの学校において彼ら一行と行動を共にしていたためお顔は存じていましたが、昨年も参加していた1名を除く6名の学生さんとは初対面です。紅一点の女子マネージャーも含まれていました。

 ウドンタニー滞在を楽しむ間も無く、翌朝レンタカーに詰め込んだ寄贈用の中古バレーボール一式を約10校分と10名の乗客を乗せたぎゅう詰め状態でホテルを後にします。

ぎゅう詰め状態のレンタカーの中

イサーンの真っ直ぐな道を走ること2時間ほどで最初の目的地であるバンコーンの商業技術専門学校へ到着です。このカレッジ(5年制)が、畑さんのベースキャンプとなる学校で、案内・通訳・調整をマネージしてくれるEMK 先生のご主人が校長を勤め、同行してくださる朗らかなSNY先生も所属する私立職業学校です。この学校は地域の有力者のご婦人が主催するとのことで、後ほどご挨拶に邸宅まで伺うこととなりました。今回、訪問してバレーボールを始め用具の贈呈を予定している学校の選定や調整は全て彼らと畑さんのダルニー奨学生でこのカレッジを卒業したFonさんご夫婦のお力添えで実現したものとのこと。現地の人々に信頼されている畑さんの人徳が伺えます。

 さて、今回の彼らの研修は幾つかの目標を目指していました。まず、規約変更により日本国内で廃棄される運命にあったバレーボールと中古のシューズ、ウエアなどのイサーンの学校への寄贈、学校でのバレーボールの指導、そして、今回の研修では地区バレーボール優勝高校との親善試合も計画されていました。勿論、同行した2人の世話人にとっては訪問地区でのダルニー奨学生の動向と状況の把握なども兼ねており、畑さん自身の奨学生との面談も計画されていました。また、同行した日本の大学生に現地の教育や社会事情を肌で感じてもらうことが畑さんの大きな狙いです。

 学校で車に満杯の日本で集めた中古バレーボール用具類の整理し、滞在中に訪問する10中学校のリストに従って寄贈する用具類を分類します。訪問先のそれぞれの中学校では、中古バレーボール用具の寄贈と歓迎セレモニー、また学生同士のバレーボール交流が計画されました。また、各中学校でのダル二—奨学生の現状調査が含まれています。

中古バレーボール用具の寄贈と歓迎セレモニーの様子

 

各中学校でのダル二—奨学生の現状調査

更に今回の研修では、初めて選抜現地高校生バレーボールチームとの親善試合が組まれていました。訪問した学校での熱烈な歓迎には同行した大学生たちも驚いたようですが、当初の緊張は次第に緩み、各学校では小中学生とのバレーボール交流も楽しみました。研修終盤に計画されていた国際親善試合では、地元TV局が取材に来たこともあり、緊張したのか試合前半部は苦戦します。しかし、さすが後半は実力発揮、盛り返して競り勝ちました。ギャラリーには数百人の学生たちが押し寄せ、賑やかな親善交流試合となりました。

 訪問した中学校には規模にもよりますが、各校で数名の奨学生が紹介されました。彼らの状況を調べ、畑さんの支援する2名の奨学生については家庭訪問も行いました。来年度に中学を卒業するPanaleeさんの家では弟とお爺さんの3人暮らしでした。歓迎会では民族衣装で踊りを披露してくれた彼女ですが、進学は経済的に諦めていました。中学校奨学金支援者の畑さんと面談の場で「進学したいですか?」と彼が尋ねます。「職業専門学校に進みたいけれど・・・」今の家庭状況では確かに無理があります。短い沈黙の後、畑さんが語りかけます「もし、進学したいのであればその経費を私が個人的に支援しますよ」「!?」彼女は驚いて顔を上げました。

中学校奨学金支援者との面談の様子

実は、畑さんには希望する職業学校に別の個人的奨学金支援学生がいるのでした。その子が卒業を控えており、次の支援奨学生にと畑さんは考えていたようです。同席していたお爺さんの了承を頂き、その場で彼女の進学希望が叶いました。居合わせた親類の方々と私が約束の証人になりました。東北タイでは、中学卒業後に職業専門学校へ進学する子どもたちが増えています。卒業後に職を得やすく、家計の助けにもつながるのがその理由のようです。民際センターでもそのような場合の奨学金をスタートさせています。別れ際、畑さんに駆け寄り胸に飛び込んだ彼女の明るい前途を願わずにはいられませんでした。

新潟ドナー連絡会・世話人
赤石 隆夫

 

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