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2月 2023

タイ ~広がる格差と貧困の連鎖~

タイ社会における、格差と不平等について

過去においては、タイ社会における格差は、経済活動や国民の所得のみに起因していたかもしれません。
しかしながら、現在は経済面だけではなく、その格差は、国の社会福祉への人々のアクセスの格差に起因する問題にもなっています。生活のために必要な、社会福祉、教育、基本的な公共事業など、これらの受ける機会を失っている人々が多くあります。このような格差や不平等が、タイの子どもたちの教育格差にも影響を与えています。

1.親と同居できない子どもたち:
特にタイの東北地方に多く見られる、親と同居出来ない、保護者がいない子どもたちの就学率は、そうではない子どもにくらべ明らかに低くなっています。

2. 生活レベルと社会保障:
タイ憲法では、すべての子どもに義務教育を終える権利があるとされていますが、実際には、都市部でも農村部でも、貧しい家庭の子どもは勉強することに限界があります。また、各県立学校に割り当てられる予算は平等ではありません。規模の大きい学校は、地方の小規模な学校よりも政府から多くの支援を受けているため、学校の活動や一人当たりの給食費の予算は限られています。そのため、学校は生き残りをかけて、民間企業から学生への経済的な支援策を模索しなければなりませんが、学生が支援を受けられる保証はありません。ほとんどの学校は、特別コースの費用を捻出するために、子どもたちの親からの援助やサポートを求めなければなりません。これが貧しい家庭にとっては、大きな負担になり、学校にお金を出すよりは、自分の子どもを働かせて家計の足しにしたほうが、と考えています。

3. 知識・判断力の欠落と就職について
前述のように、政府からの経済的支援が少ないために、子どもたちは早い時期に進級をあきらめ、学校を退学してしまいます。こうして十分に勉強してこなかった子どもたちは、低賃金の労働で生活することになり、生活の安全が失われ、簡単にお金を稼げる麻薬販売や他の違法な職業などの誘惑に陥る大きな理由の一つとなり、最後には、犯罪に走ってしまいます。もし彼らが十分な教育を受けていて、何が正しいか間違っているかを学んでいれば、物事の判断力が養われていたでしょう。ウイルスを防御する免疫のように、善悪の判断ができるようになるのです。

 政府による “15年間教育費無償化政策 “の意味について

タイ政府は2009年から、全国の幼稚園から専門学校を含む高校までの学校で発生する費用を支援することを目的としたメガプロジェクト「15年間教育無償化政策」という制度を用いて、教育支援を表明しています。国立学校には100%支援される制度です。この政策に基づき、政府が支援する予算は次の5項目になります。

1.授業料
2.教科書
3.学校制服
4.学用品、文房具
5.生徒の育成活動費

下の表は、教育省基礎教育政策企画室が決定した政府負担の項目とそのクラスごとの金額を示しています。学校は、生徒数に応じて予算を与えられ、この予算で、水道・電気代、建物の維持費、政府援助以外の費用など、教育・学習に関わるすべてのことを管理します。

単位 バーツ(B)/ 円  1バーツ約4円(2023年2月現在)

項目 幼稚園 1-3年 小学校 1-6年 中学校 1-3年 高等学校 1-3年
授業料 B1,700/5,200円 B1,900/7,600円 B3,500/14,000円 B3,800/,15,200円
教科書 B200/800円 B347-580
1,388-2,320円
B560-739

2,240-2,956円

B763-1,160

3,052-4,640円-

学用品、文房具 B200/800円 B390/1,560円 B420/1,680円 B460/1,840円
学校制服(2 sets) B300/1,200円 B360/1,440円 B450/1,800円 B500/2,000円
生徒の育成活動費 B430/1,720円 B480/1,920円 B880/3,520円 B950/3,800円
合計 B2,830

11,320

B3,477-3,710

13,908-14,840

B5,810-5,989

23,240-23,956

B6,473-6,870

25,892-27,480

 

 

しかし、この「教育無償化政策」は、本当にすべてが無償になるわけではなく、政府からの予算で賄えない部分は、学生が自己負担しなければならない部分がまだ多く残っています。つまり、「無償化」ではなく、「部分的に」無償化されているのです。たとえば、EDF-Thaiの調査によると、2022年度1学期に、スリサケット県の中学生の制服費用に対し生徒1人800バーツの政府無償予算が充てられたものの、実際にはこの予算でサポートしきれない制服(通常の学校の制服、ボーイスカウトの制服、民族衣装など)があり、これらの費用およそ1700~4500バーツもの制服類を、生徒が自己負担で購入しなければなりませんでした。これは制服に限った情報ですが、政府からの無償支援分を大幅に上回る学費が必要となることが明らかです。
The Equitable Education Fund (EEF)の調査データによると、保護者が負担する授業料、制服、政府から支援されない設備費などは、1人あたり年間平均4,055〜9,042バーツ(16,220円~36,168円)と言われています。さらに、旅費や食費などの追加費用は、一人当たり年間平均2,058〜6,034バーツ(8,232円~24,136円)です。合計すると、生徒1人あたり年間平均6,113〜15,076バーツ(24,452円~60,304円)を費やさなければならないことになります。
特に、EDF-Thai(タイ事業所)の支援地域の学校のほとんどが小規模な学校であるため、特に学校側が生徒の保護者に支援を求めなければならない状況です。これらの地域では、毎月の生活費を捻出するのが難しいため、残念ながら、図書館の本の補充や教材・備品を購入するための予算が削られることもあります。
貧しい家庭の生徒が学費を用意できず、学校に行きたがらなかったり、家庭の事情で働かざるを得なかったりする原因のひとつになっているのです。
もし、このような生徒が奨学金を受けることができれば、少なくともこのような追加費用の支払いや、政府によってサポートされていない他の部分をカバーするための家族の負担を軽減することができるのです。

民際センターおよびEDF-Thai(タイ事業所)は、タイ東北部の農村地区を支援地域として、この地区の子どもたちに奨学金支援を実施し、教育の機会を与えることで、貧困の連鎖を断ち切る活動を行っています。この35年の間に、延べ約28. 3万人のタイの子どもたちに奨学金を提供してきました。しかしながら、タイの一部の経済発展に対するイメージから、奨学金の支援は減少している傾向にあります。本年度も、奨学金を待ち望む子どもたちの人数が、現時点で確定している奨学金支援の口数を大きく上回っています。

民際センターでは3月20日のタイの奨学金の締め日まで、中学生がひとりでも多く学校に通えるよう、「ダルニー奨学金 タイ支援」を強化しています。
この機会にぜひ、新規ご支援についてご検討いただき、皆様の温かいご協力を賜れますようお願い申し上げます。

 

「ダルニー奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際里親制度の教育支援システムです。1日当たり40円、月々1,200円、年間14,400円の支援で、子どもが1年間学校に通うことができます。皆様からのご支援、お待ちしております。

 

タイのダルニー奨学金の締切は、3月20日です。

ダルニー奨学金について詳しくはこちらボタン

寄付ボタン

 

 

 

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