07
8月 2026

【ミャンマー】男子トイレ棟が完成 ~ミャインターヤー基礎教育高等学校~

2021年の国軍によるクーデターから5年――政情不安が続いてきたミャンマーですが、内戦が勃発している地域は主に国境付近に集中しています。民際センターの活動地域であるヤンゴン周辺の農村部では、コロナ禍以降は授業が平常通り行われるようになり、当団体ミャンマー事業所の協力により現在も教育支援活動を継続することができています。

民際センターが支援するメコン地域5カ国の中でも、ミャンマーは特に送金やプロジェクトの実施に困難を伴う地域であり、現在コンスタントに実施している支援は中・高生向けの奨学金事業と浄水プロジェクトのみとなります。(※浄水プロジェクトはおかげさまで、本年度をもって必要な学校へのすべての支援が完了する予定です。)しかし、これらの支援以外にも各校からミャンマー事業所へさまざまなサポートの要請が寄せられることがあり、ケースバイケースではありますが、現地事業所長と民際センターが協議の上、可能な範囲で追加の支援を行ってきました。

ヤンゴン周辺には紛争地域から逃れてくる子どもたちも多く、民際センターの支援校の中には生徒数の増加により校舎が過密状態となっている学校があります。今回ご紹介するミャインターヤー基礎教育高等学校もその一つです。小・中・高校を併設しており、合計1,300名を超える生徒たちを受け入れていますが、生徒数が増える一方で教師の補充が追いつかず、1クラス160名を1人の教師が教えるような授業もあるといいます。こうした状況の中、同校では学校トイレの数が急激に不足し、先に追加建設が叶った女子トイレに続き、新たな男子トイレの設置が強く望まれていました。

ちょうど同時期にミャンマーへの支援を検討されていた公益財団法人 大同生命国際文化基金様からサポートいただけることになり、紆余曲折を経て、今年4月に完成した「男子トイレ建設プロジェクト」について皆様にご紹介します。ミャンマーで活動を続ける難しさやミャンマーの現状を少しでもお伝えすることができれば幸いです。

民際センターミャンマー事業所の支援地域

男子トイレが足りない

ヤンゴン南部・タンリン地区にあるミャインターヤー基礎教育高等学校には、2025年7月時点で1,309名の生徒が通学しており、うち約半数の642名が男子生徒でした。これに対して当時の男子トイレは個室が3つのみという状況で、新しい男子トイレの設置が急務でした。今回、大同生命国際文化基金様にサポートいただいた男子トイレは、個室4室・小便器3つ・手洗い場2つを備えたRCCコンクリート工法1階建てのものとなります。

(写真左)完成した男子トイレ棟・(写真右)寄贈者名が刻まれた銘板

トイレ棟内部

 

予期せぬトラブル

ミャンマーの学校は3学期制です。本プロジェクトは2025年11月にスタートし、当初は3学期が終わる3月までにトイレが完成し、学校への引き渡しを終える予定でした。まず着工へ向けて現地事業所からミャンマー建設省への許可申請を行いましたが、この段階で最初のアクシデントがありました。申請とミャンマー国内の総選挙の時期が重なり、許可が下りるまでに想定を大きく上回る期間を要したのです。申請から数か月後、ようやく許可が下りたのが2026年3月。ミャンマー事業所がすぐに工事に取りかかってくれました。

そしてこの着工の遅れにより工事期間が学校の長期休暇である4~5月に重なってしまい、これが2つ目のアクシデントとなりました。長期休暇中も工事を進めることができ、トイレ棟は4月にようやく完成。ミャンマーの新学期がスタートした6月、晴れて学校への引き渡し式典が執り行われました。

工事現場の様子と、進捗管理をする現地事業所職員

 

引き渡し式典

2026年6月中旬、ミャンマー省庁職員、来賓、教育委員会、学校職員、そして生徒たちが参列する中、男子トイレ棟の完成が盛大に祝われました。国・学校より建設支援への感謝のお言葉を頂戴し、またミャンマー事業所長からは参列者へ向けて、本プロジェクトの目的と建設をサポートしてくださった大同生命国際文化基金様の多大なご支援についての紹介がされました。

(写真左)式典会場の様子・(写真右)引き渡し契約の調印

(写真左)学校長祝辞・(写真右)民際センター ミャンマー事業所所長による挨拶

 

新しいトイレ棟の完成を記念してトイレ棟の前でのテープカットも行われ、民際センターミャンマー事業所から学校への正式な引き渡しが完了しました。

今回の「男子トイレ建設プロジェクト」の実施により、水回りの衛生環境が改善され、感染症のリスクを大幅に低減させることができます。また、生徒が休み時間にトイレの前に並んだり、わざわざ帰宅したりする必要がなくなり、学習環境も大きく改善されます。現地の不安定な状況をご理解いただきながら、本プロジェクト実施に多大なご協力をいただいた大同生命国際文化基金様に、あらためて感謝申し上げます。

 

大同生命国際文化基金様からのメッセージ

このたび、ミャインターヤー基礎教育高等学校の男子トイレ建設をご支援できたことを大変うれしく思います。子どもたちが安心して学べる環境を整えることは、未来を担う人材の育成につながる大切な取組みです。本プロジェクトが、生徒の皆さんのより良い学校生活に役立つことを願っています。実現にご尽力いただいた民際センターの皆様ならびに現地関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

大同生命国際文化基金様について

大同生命国際文化基金様は、「大同生命保険株式会社」を母体とする公益財団法人です。活動の一環としてアジア諸国で教育支援を行っていることから、22年前の2004年より、民際センターへご支援をいただいております。2025年に設立40周年を迎えられました。

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