【台風被害緊急支援報告：ベトナム　～タイビン省の被災校へベッドと校庭遊具の支援】

2024年9月に台風による水害が民際センターの支援地域においても多発し、緊急支援を呼びかけさせていただきました。約151万円のご支援が集まり、各国へ4等分して送金いたしましたが、ベトナムから支援完了の報告が届きましたのでまず第一弾としてお届けいたします。

当初は、PACCOM （海外 NGO の活動を管理する窓口機関）を通して、北部ラオカイ省での家屋建設を予定していましたが、いち早くその地域には支援が集まったことから、その後、タイビン省の赤十字社と現地調査を詳細に行った結果、タイビン省の沿岸部で暴風雨の直撃を受け、浸水や倒壊といった深刻な被害が出たグエン・ドゥック・カン中学校へ、半寮制の生徒用の二段ベッドと校庭遊具を寄贈することとなりました。

台風の被害を受けたグエン・ドゥック・カン中学校の校舎や校庭の様子

（経緯）
民際センターの奨学金の支援地域であるタイビン省も広範囲に台風の影響を受けました。特に沿岸地域の被害は深刻で、長引く豪雨により河川、運河、堤防が決壊し、住宅地も浸水し、家畜や農作物にも大きな被害が出ました。同省の学校では、窓ガラスが割れたり、平屋の教室や避難所が倒木で押しつぶされ倒壊するなど、学校設備やインフラに大きな被害がありました。沿岸部のタイトゥイのように甚大な被害を受けた地域の学校では、復旧作業は今も一時的なものにとどまっています。

民際センターのベトナム事業所（EDF-V）所長のバンは、ベトナムの被災地の現状と支援の状況を調べ、浸水被害とインフラ被害の大きかったタイビン省に向けての支援を検討しました。普段からダルニー奨学金の提供時にお世話になっているタイビン省赤十字社と協力して現地調査を実施し、現地の学校や医療機関からの報告、緊急支援のニーズ、提案などを総合的に評価しました。

その結果、沿岸部に位置し、暴風雨の直撃を受けたグエン・ドゥック・カン中学校では、教室の窓ガラスが割れ、木々は根こそぎ倒れ、教室や寮棟の一部が倒木により損壊するなどの深刻な被害が発生していることが判明。生徒たちは長期間にわたり登校できない状況に追い込まれました。同校には緊急基金や救援・支援がなくどこからも届いておらず、もともと寮の二段ベッドや屋外遊具の購入に充てる予定だった予算を使って、やむを得ず教室や寮の応急修理を行い、授業を再開しました。こうした状況を受けて、民際センターベトナム事業所は同校への支援を決定し、寮の二段ベッドと校庭の遊具を更新する費用として、寄付金を活用することとしました。

寄贈できた寮の二段ベッドと校庭の遊具

2025年4月8日に、バンがタイビン省赤十字社、タイトゥイ地区赤十字社、およびグエン・ドゥック・カン中学校の管理委員会の方々の立ち合いのもと、2段ベッド4台と校庭遊具5セットを正式に寄贈しました。

タイビン省赤十字社からの感謝状はこちらから