【ラオス】サーラワン教師養成校の実情
民際センターの奨学金事業の一つ、【ラオス少数民族教師養成奨学金】をご存じですか? 中学生向けの【ダルニー奨学金】、高校生向けの【HOPE奨学金】とは別に、ラオスの教師養成校で教員免許取得を目指す学生に支給される奨学金です。
約50の民族が共存するラオスでは、小学校に上がると公用語であるラオ語で授業が行われます。少数民族の言葉しか知らないまま小学校に上がる子どもたちもおり、先生の話す言葉がわからず授業についていけなくなるケースもあります。こうした言葉の壁が原因となる中途退学を防ぐため、民際センターでは少数民族の言葉とラオ語を併用して教えることができる教師を一人でも多く育成すべく、2004年から本奨学金支援を行っています。
<元奨学生たちの卒業後の歩み>
小学校で教鞭を取るネーム・マニヴァンさん(2024年)
少数民族の村で教えるという理想の仕事(2022年)
多くの学生が、山岳地帯や遠隔地の貧困家庭出身
ラオス国内に8つある教師養成校のうち、民際センターの支援対象は現在2校。そのうちのひとつ、サーラワン教師養成校から手紙が届きましたのでご紹介します。
(日本語訳)
ご支援のお願い
民際センターラオス事業所長殿
サーラワン教師養成校における2025年度新規奨学生支援について
民際センターラオス事業所とサーラワン教師養成校との間で実施されている少数民族教師養成奨学金について、担当教師としての立場から、本校に在籍する学生の多くが山岳地帯や遠隔地域出身であることを認識しております。その大半が経済的に困窮し、世帯収入も限られた貧困家庭の出身です。これは、これらの地域の主な収入源が農業であり、生計が天候や自然災害に左右されやすいことが原因となっています。ほとんどの収入を農業・畜産のみに頼らなければなりません。学生たちが教師養成校で学ぶ間、学費・教材費・制服代・生活費などをサポートするため、こうした生徒たちは篤志家の皆様からの経済的な援助を必要としています。奨学金は、彼らの生活負担を軽減し、継続的な学びを可能にするだけでなく、学生たちが4年間学びぬく上で極めて重要であり、無事に卒業を迎えるまでの大きな励ましとなります。さらには、雇用の確保と故郷での後進の育成につながり、国の発展・繁栄に貢献し、進歩や近代化を促進するものです。
つきましては、本状を日本の民際センター理事長様宛にお渡しいただきたく、謹んでお願い申し上げます。ご検討くださいますようお願いいたします。
敬意を込めて
サーラワン教師養成校 校長 ヴァッタナ マンヴィライ
奨学金担当教師 ヴァンナソン チャンタジャム
会議にてプレゼン中の奨学金担当のチャンタジャム氏
サーラワン教師養成校の学生たちと
近年ラオスで問題となっている教師不足は、私たちが予想していたよりもはるかに速いスピードで深刻化しています。こうした教師不⾜の改善と、公用語のラオ語を理解できないことによる少数民族の子どもたちの中途退学を防ぐため、教師養成奨学金へのご支援のご検討をお願いいたします。
ラオス少数民族教師養成奨学金の締切は7月20日です
ラオス少数民族教師養成奨学金について