タイ

1985年~1995年の10年間の平均経済成長率9%を記録。97年にバーツ危機があったものの、再度、外国資本の導入を積極的に行って再び4~6%の経済成長を記録しました。全国の平均月収も5~6万円となり、タイはもはや低所得国ではなく中所得国と言えます。
しかし、その一方で、スラムの数は全国で1,500~2,000、スラム人口も100万人を超えると言われ、経済成長が貧富の格差を拡大する構造になっています。
特に全就労人口の40%を占める農業就労人口がGDPの12%しか占めておらず、近年の政治的な混乱でも顕著なように、農業人口が多い地域の貧困が大きな政治社会問題となっています。

基本情報

  • 面積:51万4,000平方キロメートル(日本の1.4倍)
  • 人口:6,593万人(2010年 タイ国勢調査)
  • 一人当たりのGDP:5,394米ドル(2011年)

支援地域状況

イサーン(タイ東北地方)は急速な発展から取り残され、貧富の差がますます拡大しています。首都バンコクの平均年収が約90万~100万円なのに対し、東北地方での平均年収は25万~30万円です。
イサーンでも県の間で収入格差が生じ、さらに同じ県内でも都市部と農村部の間に格差が報じています。奨学生の家庭はほとんど農村部に住む農家ですが、年収は平均で7~9万円です。

教育事情

現地の教育の概要と特色

学校制度 6・3・3・4制
義務教育期間 原則として満6歳から満15歳までの9年間が義務教育とされている。
初等学校:満6歳から満11歳まで 前期中等学校:満12歳から満15歳まで
学校年度 5月16日から翌年3月15日まで
学校年度 【2学期制】
前期:5月16日から10月10日まで
後期:11月1日から翌年3月15日まで
※大学附属の学校については、当該大学の定めるところによる。
教育概要・特色 タイの教育制度は、日本と同様、原則として就学前教育(幼稚園)、6年間の初等教育(小学校)、3年間の前期中等教育(中学校)、3年間の後期中等教育(高等学校)、4年間の高等教育(大学)となっている。
タイには地方自治体が設置した公立学校はなく、学校は原則として国立学校または私立学校である(ただし、バンコク都は学校を設置している)。
なお、ユネスコの推計では、2005年のタイの青年識字率は98.1%である。

現地の学校段階別教育の概況

義務教育 タイ国民は、法律の規定により、その子女に基礎教育を受けさせる義務を負うこととされている。
義務教育の学校段階種類および就学状況 小学校:満6歳から満11歳まで
学年:第1学年から第6学年まで
中学校:満12歳から満15歳まで
学年:第1学年から第3学年まで
カリキュラム・教授言語 教授言語:タイ語
義務教育段階の学費 【授業料】国立学校:授業料は無償。
ただし、教科書・教材費・給食費、その他必要経費が徴収されることがある。
スクールインフォメーション 学校訪問:年に2回程度、授業参観の機会がある。

出典:外務省 アジアの国・地域別都市一覧

奨学金申請中の子ども

長い夏休みが終わり、子どもたちが進級する新学期がやってきました。しかしこの3月に小学校を卒業したジョーイは、学校の門をくぐる友だちを遠くから眺めることしかできませんでした。ダルニー奨学金に応募しましたが、落ちてしまったのです。

ジョーイの学校の成績は優秀でした。しかし、彼女の家庭はとても貧しく、両親は彼女を中学へ進級させることができませんでした。しかし、いつか誰かが手を差し伸べて中学就学の夢の実現を助けてくれるかもしれない、と思っています。夢が捨てきれないのです。
「私のお母さんは、中古品販売店で使うビニール袋を洗う仕事をしていますが、1日に何十バーツにもなりません。お父さんは、雑草の刈り取りなどの日雇いをしています。仕事があれば、ですが・・・。私の夢は先生になることです。先生は、子どもたちにたくさんのことを教えてくれて温かな愛情を注いでくれるからです。でも、今の私にはもうこの夢をかなえるチャンスがなくなってしまいました」
しかし、ジョーイに奇跡が起きました。奨学金募集時期の関係で、タイ事務局(EDF-Thai)では学校開始後に(数量的にはごくわずかですが)奨学金を提供することがありますが、その知らせがジョーイに届いたのです。ジョーイは天にも昇る気持で、学校に通っています。

現奨学生の生活

ナリッサラー・ブアンボンのお父さんは5年前、ある事故が原因で脳に障害を受けてしまったため、全身不随になってしまいました。結果、お父さんはそれまで働いていた会社を辞めざるを得ませんでした。そんなお父さんの介護に忙しく自分のために何かをする時間はまったくありません。
そんなナリッサラーの将来を悲観したお父さんは、彼女を養子に出したことがあります。

「養子に行った3日後、ナリッサラーは100キロ以上の道のりを歩いて帰ってきてこう言いました。『なんで私を他の人にあげちゃったの?お父さんはもう私のことを愛していないんでしょう?でもお父さんが私のことを愛していなくても、私はどこへも行かずにお父さんの傍にいて最後まで面倒を見るわ。』と。」
今、奨学金をもらって、ナリッサラーはできるところまで進学したいと強く思うようになっています。「私はすごく勉強したいのです。勉強が私に知識を与えてくれます。もし私の父が教育の機会を得ていたら、父の人生はこんなに困難ではなかったと思います。私はできるところまで勉強し知識を得て、父の面倒を見るために良い仕事に就きたいのです。私は父の傍で最後まで面倒を見ると決めています。なぜなら父は私の父だからです」。1人の小さな女の子が生活の困難にもがき苦しみながら、一筋の希望を見つけました。彼女の愛する父のために、一生懸命勉強して良い仕事に就きたい、良い人生を送りたいという希望です。

元奨学生の生活

元奨学生カイが住むタイ南部ナラティワート県で2004年テロ事件が起きました。深刻な被害に心を痛めたカイは、タイ政府がテロ解決策のため立ち上げた「看護師増員事業」に応募しました。それに受かったカイは今、バンコクの病院で修行中です。「卒業後はナラティワート県で働きます。自分の人生にまた光が当たって、新しい一歩を踏み出せたという気持ちでいっぱいです。」と話します。
結婚し、小さな子どもがいるカイですが、夫や家族の理解・協力を得ながら、4年間、単身で勉強に打ち込んでいます。
「自分が支援を受けたから、今度は恩返しです。このようなことができるのも、教育を受けたからこそ。それが、私のこうした決意・行動の励みになっています。」

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