カンボジアが抱える教育問題

子どもが教育を受けるということは普遍的人権です。
しかし、残念なことに、カンボジアの農村部に住む多くの子どもたちはこの権利を享受出来ずにいます。

教育の価値に対する親の認識は経済的地位​等によって形成されています。
経済的に恵まれ、高いレベルの教育を受けた親は子どもにも質の高い教育を受けさせるようになってきています。

それとは逆に、経済的に貧しい親は子どもたちが大きくなると、家族の収入を補うために働くことを当然と感じています。
(むしろそれを期待している、もしくはしなければならない状況にあります。
今日を生きるために働くことも必要ですが、一方でまた、教育の長期的な価値についても考えなくてはなりません。
しかし、実際は、経済的に貧しい人々や恵まれない子どもたちの間では、教育の価値を考えることはなされません。
早期に学校を退学せざるを得ない事が多いのです。

缶等の金属を拾ってお金に帰る子どもたち

お母さん、兄弟姉妹とおうちの前で

 

カンボジアの教育問題は、基礎教育期におけるドロップアウト率(退学率)の高さがあげられます。
例えば、2015-2016年の政府統計によると、民際センターが支援するスヴァイリエン県では、小学校を卒業して中学校に行く割合(進学率は81.0%)、学校を辞める(辞めざるを得ない)割合は17.6%です。ですので小学校を卒業した子ども達の中で中学校の卒業できる割合は66.4%となります。
つまり、小学校を卒業した子どもたち20名中7名が学校に通えなくなるという状態になります。
こうした問題はカンボジアの教育に重く、そして、深刻に圧し掛かっています。つまり教育は貧困削減を成し遂げるための重要な鍵なのです。

民際センターのダルニー奨学金は14,400円で1人の子どもが1年間学校に通えます。
カンボジアの子どもたちは基本的に授業料は無料です。
しかし、制服や靴、ベルトや靴下、カバン、ノート、ペンなどを購入するお金がなくて学校に行けなくなるケースが多いです。
その為、ダルニー奨学生には学用品等を現物で支給します。

2015年10月世界銀行が発表したデータによるとカンボジアの全人口の10.7%は一日1.9ドル以下の収入と言われています。
ダルニー奨学生の家の月収は約2,000~4,000円です。
食料が不足している家庭は、収入があると食料を優先させるため、学費を削ってしまい、それが子どもたちのドロップアウトにつながります。
こうした、ドロップアウトをしてしまう可能性の高い子どもに奨学金が提供されます。
奨学金をもらうと、子供たちは卒業まで学校に通うようになります。

よって、皆さまから贈られる奨学金は彼らにとってとても意味のあるものなのです。経済的な意味の他に精神的な意味もあります。
つまり、奨学金支援のおかげで退学を余儀なくされずに、学校に通い続けることが出来るからです。
少なくとも基礎教育を受けることが出来、将来の職業を選ぶ際の可能性も開けます。
また、奨学金をもらうと、成績が上がるだけではなく、生活の心配がなくなるためか学校での生活態度も改善するそうです。

このように奨学金を必要としている子どもたちの為に、皆さまの温かいご支援、ご協力を宜しくお願い申し上げます。

【ティウ・スレイカッシさんからのメッセージ】

 

【現在奨学生の生活】

おうちの前で

近所の畑作業を手伝います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エイム・ロン君、14才はカンポンスペウ県ロソモニキリウドム中学校の1年生です。ロン君は3人の兄弟がいます。父はHIVで亡くなり、母は病気による差別を恐れ、当時4歳だったロン君の兄を孤児院に預け、他の子どもたちを置いてどこかへ行ってしました。
ロン君は姉と高血圧の祖父母と暮らしています。そのような状況の中、姉は中学校一年でしたが、学校を辞めて別の土地で仕事を見つけて働かなければ生活ができませんでした。彼女は毎月仕送りをして何とか家族を支えています。
ロンは貧困の中で、学校に通い、将来は教師になりたいという言う夢を持っています。学校が終わった後とお休みには近所の仕事を手伝って家族を支えています。
 その様な状況の中で暮らすロン君の生活は不安定で、支援がなければいつ学校を辞めざるを得なくなっても不思議はありません。

【奨学金申請中の子ども】

おうちの前で

近所の畑作業を手伝います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スレイ ナッチは、その様な地方の中学校に通う国語が好きで、将来は自分が住むようなカンボジアの農村地区の発展を支える非政府組織(NGO)で働きたいという夢を持っています。
彼女の両親は、家族を養い子どもたちに教育を受けさせる副収入を得るため、農繁期が終わると近所に住む家族と同様に隣国のタイに出稼ぎに行きました。
「何の心配もせず勉強が続けられると良いな。そうすれば私の夢がかなうから。将来は、非政府組織(NGO)で地方の発展に携わる仕事に就き困っている人たちを助けたい。でも、もうだめなんです。父と母はタイに出稼ぎに行っている間に交通事故で亡くなり、私は途方にくれてしまい、どうして良いかわかりません」とスレイ ナッチは言います。「私の小さな弟と私は祖母と暮らして、小さい妹は叔母と住んでいます。祖父は農業以外仕事をしていませんし、祖母は体が弱いので、私は学校を続けられるかどうかわかりません。今はただ、勉強を続けて将来はNGOで働きたいのです。」と続けました。

 

カンボジアでは教育は無料です。 しかし依然として、学校に行くための初期費用や、日々の経費、学校の追加事業料など、教育を受けるために必要な多大な費用がかかり、その大部分を親が負担しなければならないのです。これらの問題が、多くの学校に行かない子どもたちを作ることの理由のひとつになっています。そして、奨学金提供による教育支援があれば、解決できる問題でもあるのです。

小学校を卒業した子どもたちが、中学教育を受けることでその子の人生は大きく変わります。今、私たちが、これらの子どもに就学教育支援をし、中学教育を受けさせることで、きっと貧困から抜け出し、自立する力をつけるでしょう。
「ダルニー奨学金」制度は、経済的貧困で中学生教育を受けられない子どもたちを支援する国際教育里親システムです。ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える”1対1の顔の見える教育支援”です。14,400円で1人の子どもが1年間中学校に通うことができます。 

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【女の子と教育】

カンボジアでは、教育を受けられるかどうかはその子が男子生徒であるか女子生徒であるかで大きな差があります。特に貧しい地域では顕著です。
つまり、男の子の方が優先して教育を受けることができる傾向があります。

そのようなジェンダーの差は、昨今ではさらに広がり高等教育の現場でさえ、女生徒が学校に定着できにくくなっています。それがカンボジアでの現実です。

女生徒がなかなか高等教育を受けられない大きな理由として交通の便の悪さがあります。ほんの一握りの村にしか高等学校がなく学校に行くには長距離を歩かなければなりません。
男子生徒は、僧院があればそこに泊まることができます。その上、限られた学校にしか、女子生徒が泊まる施設はなくその教育機会が損なわれているのです。

自分が建てた小屋の前に立つビンソクダバンさん

カンボジアの地方に住むビンソクダバンさんは高校2年生。「私の家は学校から20kmで道路状態は良くなくて、雨期にはさらに悪くなります。」
彼女はさらに続けます。「多くの親は、娘たちに部屋を用意できなくて娘たちは学校を続けられないのです。」
多くの生徒たちは、部屋を借り、ある生徒は竹やヤシの葉で掘っ立て小屋を作ってそこに住みます。掘っ立て小屋の環境では雨風もしのぎにくく安全の確保さえ危うくなります。
このような環境で生活することで彼女たちの勉学や感情に及ぼす影響が良いはずはありません。 

女の子に教育の機会を与え、彼女たちに高等教育の増やすために奨学金、自転車そして寮の支援が必要なのです。
それらの支援は、カンボジアの国の発展を間違いなく押し上げて行く事でしょう。

    自分が建てた小屋の中で。

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