お知らせ

ダルニー奨学金(タイ)の締め切りは3月23日です!

日本とタイの事務局は現在、2010年5月に進級・進学予定の子どもたちに提供する奨学金の募金に全力をあげています。

多くのタイ東北地方の子どもたちは困難な状況にもめげず、勉強を続けたいと願っています。一方、奨学金は残念ながら不足しており、奨学金を必要とする子どもたちを目の前にしながらも提供できないと現場の先生方からの悲痛な声が届きます。まだ間に合います、子どもたちが少なくとも基本的な教育の機会を得られますように、どうか一口でも多くの奨学金を子どもたちに届けさせてください。

格差社会といわれる昨今ですが、約20年前にダルニー奨学金を開始した当初より、当センターはタイ東北地方とバンコクを中心とする首都圏との収入格差を注視してきました。
当時の調査ではタイ東北地方と首都圏との年間平均収入は10倍にものぼる格差があり、年収1万円に満たない家庭も多く、たくさんの子どもたちが中学進学をあきらめなければならない状況でした。

その中でダルニー奨学金は多くの子どもたちの就学を後押しして、タイの教育拡充政策ともあいまって就学率の向上に大きく寄与しました。ではタイの子どもたちをとりまく状況は改善されたのでしょうか。

奨学金提供開始以来15年ほど経過した2003年、タイ国立統計局の地域別月収・支出統計(2000年)をもとに算出したところ、平均年収はバンコク首都圏で約80万円、東北地方で約26万円と出ました。

では、格差は縮小したと手放しで喜んでよいのでしょうか。実際に村や奨学生の家を訪問し、調査や奨学金提供状況の確認をしているタイ事務局員や奨学生の面倒をみてくださっている先生方にはそんな実感は到底わきません。

2002年に中学へ進学したいと提出された6,178通の奨学金申請書に記載された家庭年収からタイ事務局(EDF: 財団法人地域開発教育基金)が奨学生の家庭の平均年収を計算すると、約2万円でした。逆に奨学金を必要とする子どもたちにとって格差は拡大し、困難は増しているのです。
現在はさらに格差が多様化し、拡大しています。最近の傾向では、申請書内の家庭の借金の額が増大しています。借金返済のために出稼ぎにいかなければいけない子どもたちも多いのです。一見豊かになったようなタイ東北地方も、実は大変な状況に陥っているのです。

タイはすでに発展しているから自国のことは自国でやって欲しい、自力で奨学金をまかなって欲しいという意見を耳にします。自立を促すようで一見もっともなように思われます。でもそれで良いのでしょうか。あまりにもダルニー奨学金の役割を一面的にしか見ていないのではないでしょうか。

多くの奨学生の言葉や元奨学生の証言にあるように「誰かが見守ってくれている」、「誰かが気遣ってくれている」ことが彼らを力づけたのです。何よりも力づけられるのは、国の枠を超えた皆さんの子どもたちへの理解とご協力です。

一方、「奨学生の生活を知り、貧しかったけれど夢のあった昔を思い起こした」とおっしゃる方、「困難な中でも学校へ行きたい、勉強したいという子どもたちがいることを知って、考えさせられた」という書き損じはがきを集めてくれた生徒さん、「奨学金を通してタイのことに関心を持つようになった。同時に日本の現状を考え直すきっかけとなった」とおっしゃるドナーがいらっしゃいます。
このように奨学金は同じ時代、同じ地球に住む人々の思いをつなぎます。これからますます大切になる相互理解、それを守り育てるダルニー奨学金へ引き続きのご支援を是非お願いします。